プライバシーの観点から考えるパーソナライゼーション

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ここではこれまで、カスタマイズされた顧客体験を提供する「パーソナライゼーション」を紹介してきました。
「提供する」と記してきたわけですので、書き方は企業目線、パーソナライズを「提供する」側の目線でお話をさせていただきました。

今回は、ユーザー・顧客が持つパーソナライズされた体験にともなうプライバシーへの懸念についてまとめます。

これまでご紹介してきた通り、パーソナライゼーションは消費者のニーズに合わせてカスタマイズされた顧客体験を提供することです。
何千、何億人ひとりひとりのニーズに合ったレコメンドを行うためにはビッグデータの活用は必要不可欠です。
ですがいかがでしょうか。自分の活動がデータ化されて「この人は○○と△△△に興味があって、□□□のページをよく閲覧しています。」といった情報が活用されていることを思うと、なんだか気味が悪い気もします。
自分のデータがいかにして守られているか、消費者のプライバシー保護は企業の信頼にも大きく関わってくる課題なのです。

パーソナライゼーションの加速

Accenture(世界53か国200以上の都市に約37万人の社員を擁する世界最大規模のコンサルティング会社)が、世界33ヶ国の約25,000人の消費者を対象に、2017年6月から7月にかけて行った調査レポート、” Accenture Strategy Global Consumer Pulse Research” によると、

アメリカの消費者の約半数は、優良顧客(企業によって設定は異なりますが、ざっくりいうと常連)として特別な扱いを受けたいと感じています。
確かに、自分に合う商品のレコメンドがあるなら情報が欲しいですし、クーポンや割引があるなら利用したいです。
そしてお店を選ぶのであれば、自分に合わない(必要のない)情報ばかりを提示してくるお店はなるべく使わないようになると思います。
現に、ブランドがパーソナライゼーションをしないでいた結果、消費者の25パーセントが、そのブランドから購入するのをやめているというデータもでています。

世間ではパーソナライゼーションの流れが加速していることがわかりますね。

GDPR(EU一般データ保護規則)

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一方で、パーソナライゼーションとは全く別として、企業が顧客のプライバシーを保護することが重要、個人情報保護に対してしっかりと取り組まない企業は信頼できないという考えを顧客のほとんど全員が持っているようです。
それはそうでしょう。と思いますが、便利な道具を有効活用するには、そういったそもそもの大切なポイントを見逃すことはできません。

プライバシー保護と情報技術は密接に関係しています。
一例として、”General Data Protection Regulation (GDPR・EU一般データ保護規則)”があります。
今年5月25日に施工された欧州連合(EU)の新しいプライバシー規制なのですが、このGDPRが改めて個人情報保護の重要性を世界に発信しました。

EUの法律ですから、EUの話にはなってしまいますが、「EUに住んでいる人にメールを出す際は、送信者の位置情報は問わずGDPRに準拠していなければならない。」という法律です。

また、GDPRは個人情報の使用に関して厳しい規制があります。
このような法律の制定によって世界各国のマーケティング担当者も自分たちのEメールマーケティングをGDPRに準拠させるべく、その対応を行いました。

パーソナライゼーションとプライバシー

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調査によると、パーソナライゼーションが進むアメリカの消費者に関して次のようなデータがでています。

  • 43パーセント

    ブランドとの信頼関係が損なわれていない限り、常に自分の体験をパーソナライズするブランドと買い物をする傾向がある。

  • 31パーセント

    顧客ごとにコンテンツをカスタマイズするサービスに大きな価値を見出している。

  • 48パーセント

    商品の再注文をインテリジェントセンサーが自動的に行うスマートリオーダーサービスを利用している。

  • 36パーセント

    Amazon EchoやGoogle Homeのようなデジタルアシスタントを利用しており、そのうちの89パーセントがその経験に満足しているが、40パーセントは、技術がニーズを正しく解釈、予測することに薄気味悪さを感じているようである。

  • 92パーセント

    企業による個人情報のプライバシー保護を非常に重要だと感じている。

  • 79パーセント

    プライバシー保護を適切に行えていない企業に対してフラストレーションを感じている。

  • 43パーセント

    インテリジェントな新しいサービスが、自分や家族について多くを知ってしまうことを恐れている。

  • 66パーセント

    個人情報をどのように利用しているかをよりオープンで透明性あるものにすることにより、高い信頼を得ることを望んでいる。

結果を見ると、パーソナライゼーションによる顧客体験の充実を喜ばしいとする一方、取得された情報は一体どう扱われるのか不安に思っている人もいるようです。

パーソナライゼーションの今後

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消費者の期待が高まるにつれて、先進的な企業は次世代型パーソナライゼーションの提供を用意し始めています。

現在導入されているパーソナライゼーションは顧客が情報を入力したり、アンケートに回答したりしてあらかじめ用意された属性への振り分けが主です。
比較的固定された属性は、静的で反映までのタイムラグがあります。

これからの情報技術を考えたとき、顧客との関連性は、もっと早いレスポンスで、常に変化し続けるものである必要があります。
バイオメトリック、地理的位置、ゲノムデータなど新しいカテゴリーの顧客データを収集し、予測分析、人工知能、機械学習などによる新しいレベルでの洞察により、購入意思決定を促すようなダイナミックな対応です。

そういった詳細な個人情報を扱うことになった際、企業が高い信頼を持っていなければ顧客にサービスの利用を敬遠されてしまっても無理はないでしょう。前提条件として高い信頼性は必須です。

企業が個人情報をどのように使用するのか、顧客はより厳しい管理をする必要があり、また企業はより透明な組織を求められます。
そして、顧客の情報を守るために適切な保障措置が講じられていることを保証する必要があります。

(via パーソナライゼーションとプライバシー)

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