パーソナライズの注意点と最新のマーケティング手法
パーソナライズとは
このサイトでもいろいろな観点からご紹介してきた「パーソナライズ」。一旦ここで少しおさらいをしたいと思います。
パーソナライズとは、ユーザーひとりひとりのニーズに合わせた情報やコンテンツを提供するマーケティングの方法です。 最近では、NetflixやAmazonをはじめとしたWEBコンテンツのパーソナライズや、インターネット上だけでなく車や生活家電、教育や小型衛星にまで広がりを見せています。
テレビや雑誌での一方通行的なマスマーケティングが主流だった時代は次第に流れを変え、 個人の需要に対して、適切な情報の提供を行えるパーソナライズが主流となってきました。これからの経済に大きな影響を与えるキーポイントといえるでしょう。
インタラクティブな情報の普及によって、「今」自分が求めているもの、それに関連した様々な情報を享受することを実現しています。世の中はどんどん便利になっていきますね。
いいこと尽くしのように見えるパーソナライズですが、気を付けなければいけない点も多々あります。
パーソナライズの際の注意点
ユーザーの取得できる情報が偏る
ユーザーのアクセス履歴、ページ遷移の傾向をはじめ、様々な手法で興味のある対象をデータとして蓄積して、表示項目を絞り込んでいくパーソナライズは、関心のある内容「だけ」を表示するのに優れた仕組みです。
しかし、関心のある項目「しか」表示されないというとらえ方もあります。
これではユーザーが知ることができる情報が必然的に狭まっていってしまうということになります。
企業側から考えると、効率的に興味のある人へ興味のある情報をレコメンドできる点はとてもメリットがあるといえますが、ユーザーからすると情報が制御されている状態といえるのです。
偏った情報の発信を続けていると、ユーザーからの信頼度は下がっていってしまうので、注意が必要です。
検索エンジンを活用する場合の注意点
検索順位を上げることが、ユーザーにコンテンツを届ける最善の方法かもしれません。
そのためにSEO対策としてキーワードを盛り込んだとき、果たしてその表示がユーザーが求めるコンテンツの内容として一致しているのか、しっかり確認する必要があります。
ユーザーの求める情報とは限らない
パーソナライズは、ユーザーの傾向をデータとして蓄積し、その後の表示をより興味の対象と関連のあるものにするのですが、「その時」と「今」の興味が同じではないということを忘れてはいけません。
人間の趣味・趣向は移ろいやすいものなのです。
毎時、毎分、毎秒単位でデータのアップデートを行い、より効率的ににユーザーの意識を集める仕組みをつくっていかなければなりません。
パーソナライズド動画
全ての人へ向けたマーケティングが届きにくくなってきた昨今、注目されている時代の変化があります。
それがパーソナライズド動画です。
パーソナライズド動画とは、ユーザーの属性に配慮してカスタマイズされた動画のことです。
たとえば、旅行サイトで旅行のパッケージを検索しているときに「○○様へのご案内」と表示された広告動画が表示されたら目を引きますよね。ユーザーごとに異なるプラン、異なるサービス、商品の説明等幅広い活用方法が期待できます。
パーソナライズド動画制作専門の業者も存在していて、ユーザーが多くて個人では対応しきれないような場合でも利用が可能となっています。
明治安田アセットマネジメント株式会社の例
同社が提供する資産形成支援サイト「ロボアド&シミュレーション」に、パーソナライズド動画を導入しています。
ロボアド(=ロボットアドバイザー)が幾つか質問をしてくれます。それに答えていくと最適な投資プランなどを教えてくれるという面白いサービスです。
ほかにも、「ロボアド&シミュレーション」という機能があり、将来の見通しを計算シミュレーションしてくれます。
パーソナライズド動画は、ロボアド機能の最適な資産配分をユーザに説明する箇所に使われています。
質問の答えによってユーザーの趣向を判断し、そのうえで情報を提供するために3,600パターンもの動画が組み込まれています。
資産形成シミュレーションをより自分ごとに感じ、納得が得られる内容とすることに成功した事例です。
(via パーソナライズとは?メリット・デメリットや活用事例を紹介、注目のパーソナライズド動画とは?導入のメリット・デメリット)