パーソナライズとカスタマイズの違い
カスタマイズとパーソナライズという2つの言葉をご存知でしょうか。一見同じことを指しているかのようにも見えますね。
実はこの2つ、近年巷で話題になっている「バズワード」なのです。
それぞれ異なる意味を持っているこの言葉、今回は違いを解説していきます。
カスタマイズ
ユーザーによって行なわれる
カスタマイズの、パーソナライズとの決定的な違いは「ユーザーによって行なわれる」こと。アプリやサービスを使った時に、壁紙を好きな色に設定したり、ヘッダー画像を変更したり皆さんも実際にやったことがあるのではないでしょうか。
カスタマイズの目的
カスタマイズは、ユーザーが自身の目的とニーズをしっかりと理解しているときに効果を発揮します。ユーザー次第で工夫をすることができるので、システム側の人工知能ではなく、ユーザー自身の知性をベースにしていると言えるでしょう。
カスタマイズの例
今や世界中で利用されているFacebook。Facebookでは、ユーザーは興味のあるコンテンツを自由に選択できます。また、ある特定の人物、ページまたは投稿に関しては、個別の通知を設定することができるのです。
Facebookのカスタマイズ項目としては、プロフィール写真とカバー写真、カテゴリとテンプレート、基本データなどがあります。
2014年12月にはコールトゥアクションというカスタマイズ項目が発表され、「予約する」「お問い合わせ」「アプリを利用」「ゲームをプレイ」「購入する」「Facebookに登録」「動画を見る」の7種類のボタンをFacebookページに追加できるようになりました。
パーソナライズ
アプリ側で行なわれる
カスタマイズがユーザーによって行なわれるのとは対照的に、パーソナライズはアプリ側で行なわれます。最近このパーソナライズを導入している企業や、サービスが増えてきています。
AmazonやNetflixが代表的ですが、顧客に合わせて商品やコンテンツを勧めることができる仕組みを提供しています。
パーソナライズの目的
顧客一人ひとりのニーズに合わせた提案を自動で行なうことができるので、シンプルかつスムーズな購買体験を実現することができ、顧客の満足度が上がります。さらにアプリは、ユーザーのプロファイリングをもとにインターフェイスの調整を行います。
パーソナライズの例
2008年サービス開始の音楽ストリーミング配信サービスSpotifyでは、ランナーにパーソナライズされた機能を提供しています。 なんと、先端技術を使って、その人の走っているリズムを分析し、そのテンポに合う曲のプレイリストを作ってくれるのです。
走りながら鼻歌を歌っているときのような感覚で、音楽が勝手に再生されるなんて想像がつきません。途中で疲れて歩き始めてしまったらどうなるか気になるところですが、それは是非ご自身でお試しください。
カスタマイズからパーソナライズへのシフト
カスタマイズは長い間、ユーザーのために実装することが、言わば事実上の標準とされてきました。しかしながら、今日ではそれがパーソナライズへと移り変わりつつあります。
カスタマイズはユーザー自身が設定をして利用するので、時間がかかったり、面倒だったりします。実は全体の5%未満のユーザーしかデフォルト設定を変えないんだそう。
また、スマートフォンなど画面サイズの小さい端末でのウェブの利用が急増しているため、体験をカスタマイズすることが根本的に難しくなっているのです。
すべてのユーザーの期待にこたえるには、カスタマイズという運営が用意した選択肢だけではカバーしきれません。あらゆる方面からのデータを分析し、ユーザーが求めるもの、趣味・趣向を理解して情報を提供するパーソナライズがこれからのスタンダードになっていくのは必然的といえるでしょう。